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2018年03月29日

つまり、サキカが大きな魔力さえ出さなければ、ガイア

"つまり、サキカが大きな魔力さえ出さなければ、ガイアはサキカが魔物と戦っていることには気が付かない。

ガイアが気が付かないなら他の皆も気が付くはずはない。

だとしたら――

(僕が一人 日本樓市 倒すべきですね)

サキカがすべて魔物を倒してしまえば、村も混乱をしないだろう。

サキカは巧に少し離れるように指示し、魔法を詠唱破棄した。

「“氷刀”――」

氷属性上級魔法“氷刀”。

その名の通り氷でできた刀がサキカの右手に現れる。

本当は魔武器を使いたいところであるが、【ヴィゼラ】を使えば魔力でガイアが気が付くだろうし、【黒鳳蝶】を使えば巧に正体がばれてしまう。

“氷刀”はそれほど大きな魔力を一気に使う魔法ではなく、魔力を流し続ける魔法であるため、これならガイアにも気付かれない。

サキカは自然体で立ち、刀を左手に持ち替え、目をつむった。

神経を研ぎ澄ませ、魔物の気配に集中する。

(南々西の方角、距離1067.254m、個体数32体……)

魔物は精々中級魔物といったところである。

サキカ一人で十分だ。

サキカはゆっくりと目を開け、魔物達がいる方を睨みつけた。

魔物達の足音が聞こえて来る。

木々の間から魔物の姿が見える。


そして――

魔物達は木々が生い茂る森から視界の開けた湖へと飛び出してきた。

魔物達はサキカに襲い掛かる。

サキカは体を右に反らして避け、振り返り際に魔物の首を撥ねる。


残り31体――

背を向けたサキカに向かって来る魔物を上に跳んで避ける。

空中で後転し、地に足を付けるなり振り返り魔物を十字に切り付けた。


残り30体――

サキカは周りを魔物に囲まれた。

「お兄ちゃん!!」

巧がサキカを呼ぶ声が聞こえる。

サキカは目にも留まらぬ速さで一体の魔物の背後に回り、首を撥ねた。


残り29体――

続けて背を向けている魔物三体の首を撥ねる。


残り26体――

撥ねた魔物の首が魔物の体から離れぬうちに、反対側を囲んでいた魔物の首を撥ねる。


残り21体――

サキカは森からぞろぞろ出て来た魔物を軽く睨みつける。

魔物達は身の危険を感じたのか、もと来た方向に逃げて行った。


."



Posted by Curryson  at 17:32 │Comments(0)

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