2018年08月14日しかし、隆行にとって重要なのは、額より内容だったら
しかし、隆行にとって重要なのは、額より内容だったらしく、「いや、驚いた。則正殿にこんな得能があったとは、して紹鴎殿との対談は、どうであった?」上気した顔で聞く隆行に、則正は小さな声で、「…完敗です。」と言った。五郎三郎が、すぐそばで、1貫が500貫になったと大騒ぎしていて良く聞き取れない。則正の暗い表情を見た隆行は、「うるさいぞ!」と五郎三郎の頭を叩き、もう一度尋ねた。「すまん。もう一回言ってくれ。」そう言い、隆行は真剣に耳を澄ます。則正は、下唇を噛んだ後、「…完敗です。申し訳ございません!隆行様の貸しを勝手に作ってしまいました!誠に申し訳ございません!」と、突然隆行に向かって謝りだした。その行動に驚いた隆行は、「いや、それじゃわからん。何があった?」と、説明を促すと、則正が、店に入るところから、事細かに説明し始めた。裏路地の一角に陣取り、とても、良い風体とは言えない三人が、商人風の男を囲んでいる様に、幸い人は近づいてこない。「これが事の顛末です。」則正が説明を終えた。
Posted by Curryson
at 15:48
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