京つう

日記/くらし/一般  |洛中

新規登録ログインヘルプ



2020年05月08日

神導祭のあと、俺とエートは当然ハルの見舞いに行っ

" 神導祭のあと、俺とエートは当然ハルの見舞いに行った。
ハミュルツとケイルスの心配性によって厳戒態勢の布かれた療養部屋で話を聞くに、今回の「言葉」は、ホンモノらしい。

「口を開く直前までは、違う言違う言葉を言うはずだったんだ」

国の用意した、当たり障りのない、有利なあれだ。
あの場での数人の反応を見るに、そうだろうとは思っていたが。

いきなり「声」に「起こされた」と思ったら、次の瞬間には頭に響いた「声」を「言わされて」いた。
それがハルの証言だった。

そしてたったそれだけ――「声」を聞く、というだけの行為に、魔力を根こそぎ奪われた。

壇上で倒れた理由はそれらしい。
床を離れてからも暫らく怠そうだったが、3日くらいで復活した。

俺はハルが復活するのを見届けて、2人に「残りの休みはアイリールに帰る」と告げ、クレリック家を離れた。

告げた内容とは裏腹にアイリールに「帰る場所」などない俺は、実はわざわざアイリールに行ってまで黒ローブに身を包み、高ランク依頼に勤しんだ。

依頼に関してはハーゼンのギルドと大した違いはなかったが、依頼中に紺のローブを着た、ちょっと面白いヤツを発見。
せっかくの縁だし暫らく眺めてようかと思ったら「向こう」のユヤから連絡があり、一度帰ることにして。

1日強程「向こう」に居たら「こっち」では結構日にちが経っていたため、残りは気が済むまでアイリールを観光した。
ちなみに、土産はちゃんと授業前に分けた。

アイリールでも残念ながら「使い魔」に会うことはなく、そういう意味では夏休みの「収穫」はゼロ。

再開した授業に、否が応でも期待は高まる。
もう少しして「春」のウェーラルの続きとなる「秋」のウェーラルに入れば学校らしいイベントが幾つかあったりもするので、「使い魔」と契約しているセンパイとも会う機会があるだろう。

そこそこ、楽しみにしている。

恙無く授業が終われば、ヨミが、正にそのイベント関連の話を切り出した。

「そういや朝言い忘れたが、20日後の実技披露会の実行委員を今日決めないとダメなんだよ。放課後までにどうにか決めておいてくれ」

ヨミの適当さにはもう慣れた俺たちだが、これには全員の心が一つになった。

いや、朝言えよ。

なんせ朝のホームルームの際、ツァイがわざわざ「連絡事項はないのか」とヨミに訊ねるのがこのクラスの日常だ。
当然、今日もちゃんと聞いた。"  

Posted by Curryson  at 03:33Comments(0)

QRコード
QRCODE
インフォメーション
【京つうからのお知らせ】
アクセスカウンタ
読者登録
メールアドレスを入力して登録する事で、このブログの新着エントリーをメールでお届けいたします。解除は→こちら
現在の読者数 0人
プロフィール
Curryson