京つう

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2023年05月10日

「ええっ、土方さんが稽古

「ええっ、土方さんが稽古?またなんか、企んでんのか?それとも、八郎とともに主計をとっちめて、面白がるつもりか?」
「ああ、胡散臭ぇ。あんたに稽古なんて似合わねぇ。そっか、主計がとっちめられた上に袖にされるのを、目の当たりにして笑うつもりだな?」
「副長、書類仕事があるのでは?主計がとっちめられるところは、戻り次第、報告にあがりますが」

 永倉、原田、斎藤・・・。もういやだ、この先輩たち。

「いや、いまは、俊冬と俊春が助けてくれるんで、ずいぶんとらくになってる。書類仕事も、三人で手分けすりゃたいしたことねぇ。二人がいてくれて、誠に、まことーーーーに、助かってるよ」

 副長のが、
避孕方法 yaz避孕藥 安全期 三人の組長をなめ、最後に、おれへ向けられる。

 嫌味ったらしいったらありゃしない。
を空に向け、雀かカラスが飛んでいないか、探すふりしてスルーする。

「副長、われらも、できることとできぬことがありますゆえ。われらには、を笑わせる才能が皆無。そこは、やはり、でないと」

 フォローなのか?いまのは、フォローなのか、俊冬?

 しかも、ビミョーにおれを揶揄ってないか?

「兄上、わたしも稽古がしたい」

 そして、都合のいいときだけ、兄貴にねだる俊春。

「おぉそうだな、弟よ。というわけで、われらもいいかな・・・」
「ちょっとまったー!いらないでしょう?通常以下のレベル、いえ、基準以下の剣士が、ぼこぼこにやられるだけなんです。その程度の剣士と一緒に稽古するなんて、あなたたちに必要ですか?いま?このタイミング、いえ、この機に?」

 なにせ、おれをいじるのを生きがいにしている双子である。なにをされるかわかったもんじゃない。

 どうせ、やさしい伊庭は快諾するにきまっている。
 
 なんとしてでも、阻止せねば・・・。

「そ、そんな・・・。あ、兄上、きかれましたか?主計が、主計が・・・」

 俊春が、よろめいた。涙ぐみ、指が三本しかない方の掌を口許にあて、うるうるしている。

「ああ、かわいそうな弟よ」

 弟に寄り添い、やさしく頭を撫でる偽善者俊冬。

 これではまるで、「世界O作劇場」の一場面ではないか。

「ああー、かわいそう。双子先生を傷つけた」
「そうだよ。主計さん、鬼だ」
「主計さん、ひどい」

 子どもらの非難。

「おおっと、おまえ、ひどいやつだな、主計」
「ああ、ひどすぎるぜ、いまのは」
「左様。怒りを覚えてしまう」

 永倉、原田、斎藤の、さらなる非難。

 おれ、炎上す。

 突然、伊庭が笑いはじめる。

 その笑い方が青春漫画の「あはははは」で、あまりのさわやかさに、思わずくらくらしてしまう。

 正直、斎藤のさわやかな笑みを凌駕している。

 これこそが、青春漫画の王道の笑い方である。

「いつも、いつもこんなに楽しいんですか、は?」

 伊庭は、さわやかに笑いつづけている。

「ああ、馬鹿ばっかやってる」

 そう応じる副長も、言葉のわりにはどこかやさしげなになっているような気がする。

「みなさん、どうぞ。おおくでやったほうが、やりがいがありますので」

 ちぇっ!伊庭のいうとおりだが、いうことは流石である。

 ぬかりのない双子である。伊庭とおれとの約束のためにと、ちゃんと道着と袴を準備していてくれた。しかも、副長や組長たち、それから、子どもたちの分まで。

 全員がそれに着替え、あたらしい屯所を出発する。

 あゆみながら、罠にはめた俊春の脇腹を、肘でついてやる。すると、向こうもやり返してくる。
 ムキになって、思わずやり返す。もちろん、向こうもまたやり返してくる。

「いい加減にしねぇか、おめぇらっ!」

 意地になり、とうとう突き飛ばしあいにまでエスカレートしたおれたちは、さきをあゆむ副長に、どやしつけられてしまった。

「主計さん、子どもみたい」
「うん。ほんと、お子様だよね」
「もっと大人にならなきゃね」

 またしても、子どもたちの非難。しかも、おれだけ・・・。

 ふと、市村の左うしろをあるいている相棒とが合う。

「嗚呼無常、毒男のつらたんよ、と申しておる」

 そして、相棒の代弁者俊春のささやき。

 いや、まて、相棒よ。「独身男性のつらさよ」、だって?
 しかも、サラリーマン川柳みたいになってる・・・。

 副長より才能あるんじゃないのか、ええ、相棒?


 それは兎も角、心身ともに、がっくりきてしまう。

 せめてもの慰めは、ここに、野村がいないことである。
 いたらきっと、さらなる暴言を吐かれたはず。

 野村は、沢にかわって局長の身の回りの世話をするため、局長に同道し、横浜に出張しているのである。


 四人で
  

Posted by Curryson  at 15:11Comments(0)

2023年05月02日

「いい喰いっぷりだねぇ

「いい喰いっぷりだねぇ。感心しちまう。さすがは、土方君の仲間たち。ますます気に入った」

 うんうんと、謎おししまくってる。

 突っ込みどころ満載の謎おし・・・。

 はやい話が、おれたちがなにをやらかそうが、すべて肯定的にとらえられ、それはそのまま土方君を気に入る、に直結するってわけか。

 寿司をどんどん腹に詰め込みながら、そんなことを考える。

「あ、副長と双子の分・・・」

 もうほとんど喰いおえ、ってか、安全期 安全期 安全期 なくなりかけたとき、斎藤が思いだす。

「心配いらねぇよ。ちゃんと別にとってあるからよ」

 おお・・・。榎本、神対応・・・。「もう入らない・・・」
「お腹、いっぱいだね」
「おいしかったね」
「さすが、迷子の艦長さんだよね」
「うん。主計さんだったら、たったの二貫でしょう?屁の突っ張りにもならないよね」

 子どもらも、満足したようである。

 それにしても、最後の泰助の「屁の突っ張り」って、意味が違わないか?
 いや、もしかして、寿司が二貫じゃ物足りないって意味ではなく、おれ自身が役に立たないって、いいたいのか?
 だとしたら、使い方は間違ってない・・・。

 いや、そもそもそこか?


 そういえば、朝飯喰ってから二時間ほどしか経っていない気がする。
 実際、マイウオッチも間違いなくそう示している。

 どんだけ食欲旺盛なんだ、・・・。

「それにしても、わざわざ寿司もってきてくれるなんて・・・。榎本さん、家は・・・」

 茶をすすりつつ、永倉が問う。

「お屋敷は、三味線堀でしたよね?」
「おおおお?主計さん、あんた、誠になんでもしってんだな?」

 榎本のリアクションが面白すぎて、ついからかってしまう。

 おれのことをしる組長三人と野村は、くすくすにやにや笑っている。

「ええ、榎本艦長。あなたのことは、ある程度のことなら」

 笑いながら告げると、榎本は「???」となっている。
 カイゼル髭を指先でしごきながら、なんでしっているのか?だれがいったのか?と考えているにちがいない。

 その回答は得られることはなく、真実はわからぬままなのに・・・。


 満腹になると、大人も子どもも自然の摂理で眠くなる。

 部屋に戻り、昼寝ならぬ朝寝をするといい、みな、榎本艦長に礼を述べ、割り当てられている部屋へと去ってゆく。

 子どもらは、野村が側にいてくれるという。もっとも、添い寝ならぬ、一緒に居眠りしたいだけ、であることはいうまでもない。

 そのとき、部屋をでていったばかりのみなの叫び声が・・・。

「あー、副長、なにその頭?」
「面白いー」
「うわー、なにゆえかような頭に?」

 まずは子どもたち。

「副長、なかなか、ですな」
「おお・・・。これはまた」

 そして、ひかえめな大人たち。

「副長、それ、マジウケるんですけどー。ますますチャラいですよねー」

 そして、野村の叫び・・・。

 かれはきっと、現代にタイムスリップしても違和感なく暮らせるだろう。

「馬鹿野郎っ!利三郎、ウケてんじゃねぇっ!さっさといきやがれ」

 副長の怒鳴り声。

 がやがやと、子どもたちや隊士たちの声が遠ざかってゆく。
以外のだれかがいることに気がついたらしい。
 部屋に入りながら、にこやかに尋ねる。

「土方君っ!」
「土方さんっ!」
「副長っ!」

 その副長をみた、全員が叫ぶ。

「なんだ、あんたか、榎本さん・・・」

 副長はそんな叫びを無視し、つぶやく。

 客人の正体をしり、がっかりしたようなオーラが漂っている。「おっ?土方君がかえってきたな」

 カイゼル髭の下にすばらしいまでの笑みを浮かべる榎本。

「おっ、客人か?」「おいおい、いったい、どうしたってんだい、土方君?」
「土方さん、どういう風のふきまわしだ?」
「またなにか、よからぬことでも企んでるんじゃないんだろうな、土方さん?」
「副長、いったいなにがあったのです?」

 榎本、永倉、原田、斎藤が口々に問う。

「副長、とてもよく似合ってますよ」

 そして、ある意味、見慣れてるおれは、みながおわってからどや顔で告げる。 
 しっかりとヨイショしておく。これが、上司に心証をよくするコツである。

 組織のなかでの渡世術は兎も角、副長はさらさらのロングヘアを、ばっさり切ってしまたのである。

 つまり、現代においておおくの人々が「土方歳三」としてしっている、あの写真のまんまの髪型になったというわけだ。

「洋装にするんだったら、いっそ、髪もさっぱりとかえたほうが、よりいっそうひきたつと思ってよ」

 さすがはナルシスト。

 たとえ思っていたとしても、ここまで口にだしていえるものであろうか。相当に自分に自信がないと、到底口にだせるものではない。

 いや、やはり、これもまた「土方歳三」だから、できるのであろう。


 副長は、
  

Posted by Curryson  at 21:04Comments(0)

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