2023年12月29日「沖田か,ちょうどいい。
「沖田か,ちょうどいい。話があるんだ。」
予想外にも斎藤の方から話があると部屋に招き入れられた。
あんまりいい話じゃないかもしれない。
不安に駆られつつ斎藤と膝を突き合わせた。
斎藤の神妙な面持ちに手に汗をかいた。
「それで…話とは?」
少し身を乗り出して様子を窺った。
いつもの斎藤らしくないと感じていた。
いつもならズバッと要件だけを述べるのに今日は腕を組み,渋い顔で口ごもっている。
三津の事だとは分かる。何て言われるんだろう。http://kiya.blog.jp/archives/23424956.html https://freelance1.hatenablog.com/entry/2023/12/28/220108 https://travelerbb2017.zohosites.com/
嫁にもらうとか?
男と女の間柄になったとか?
聞きたくない内容が次々に総司の頭を埋め尽くしていた時,
「どうすればあいつの気配や存在が分かる?」
深い溜め息と共に出て来たのは考えていた事とは全く的外れな内容。
「情けないが今日あいつが俺の後ろをつけていたのに全く気付かなかった…。」
男として,武士として恥だとまで言ってうなだれた。
『何だ…そう言う事?』
三津を小姓に指名したのは気配を感じるため。
出掛けたのもきっと三津を知るため。ならば納得がいく。
そうと分かれば暗い顔なんてしてられない。
総司は得意げな笑みを浮かべて胸を張った。
そして自分の気持ちを正直に認めた。
三津と一番親しい仲なのは自分だけ。他の人は許せない。今になって土方が言っていた“不犯なんて誓いはくだらない”の意味が分かった気がする。
『でも誓いを曲げる気はありません。私は土方さんと違ってそこまで欲深くありませんから。』
だからこれ以上は望まない。
仲の良い友で構わない。
男女の間柄の方が面倒臭くて嫌だと思う。
そんな事で三津を嫌いになってしまうなら,友達のまま笑い合ってる方がよっぽどいい。
友として親しいからこそ,悪戯っぽい笑顔も見れるし,冗談も言い合える。
子供と一緒になって走り回れる。
からかった時の拗ねた顔や,嬉しい時に見せるほのぼのした笑顔は何度見ても飽きない。
自分はこんなにも三津が醸し出す空気に飲み込まれていると言うのに,
「何で分からないんでしょう?三津さんの存在を否定してるんですか?」
「存在を否定した覚えはない。むしろ存在感はあり過ぎるだろう。」
それなのに見えてないから困ってるんだと口をへの字に曲げた。
「沖田,あいつは生きてるよな?」
「当然です。」
三津を勝手に殺さないでくれ。
あんなに活き活きと笑って働く幽霊がどこにいる。
「……殺気。三津さんを怒らせてみるのはどうでしょう?
斎藤さんなら僅かな殺気にも敏感でしょ?だったら三津さんを殺気立たせれば。」
「なるほど名案だ。では早速怒らせてくれ。」
斎藤の頼みに総司の顔が歪んだ。
自分が三津を怒らせる?そんなのまっぴら御免だ。
何でわざわざ嫌われるような役を買って出なければならないんだ。
「嫌ですよ。嫌われたくないですもん。その役はもっと適任者がいるじゃないですか。」
総司はにやりと笑い早速頼みに行こうと斎藤を引っ張り適任者の元へ。
「あ?三津を怒らせろだ?」
適任者に抜擢された土方は不可解な依頼に眉を顰めた。
だがそんな事は朝飯前だと廊下に仁王立ちをした。
「三津ーっ!!」
その一言だけで待機の姿勢をとると,どこからともなく廊下を駆けて来る足音がする。
「はい!何でしょう?」
仕事をほっぽりだして来たのが分かる。
たすき掛けをして,手には拭いきれなかった水滴をつけたままで土方のもとに駆けつけた。
土方は三津の両肩を持って回れ右をさせ背中を向けさせた。
そしてにやりと口角をあげて,
「遅いんだよ!」
三津のお尻に全力の平手打ちをお見舞いした。
予想外にも斎藤の方から話があると部屋に招き入れられた。
あんまりいい話じゃないかもしれない。
不安に駆られつつ斎藤と膝を突き合わせた。
斎藤の神妙な面持ちに手に汗をかいた。
「それで…話とは?」
少し身を乗り出して様子を窺った。
いつもの斎藤らしくないと感じていた。
いつもならズバッと要件だけを述べるのに今日は腕を組み,渋い顔で口ごもっている。
三津の事だとは分かる。何て言われるんだろう。http://kiya.blog.jp/archives/23424956.html https://freelance1.hatenablog.com/entry/2023/12/28/220108 https://travelerbb2017.zohosites.com/
嫁にもらうとか?
男と女の間柄になったとか?
聞きたくない内容が次々に総司の頭を埋め尽くしていた時,
「どうすればあいつの気配や存在が分かる?」
深い溜め息と共に出て来たのは考えていた事とは全く的外れな内容。
「情けないが今日あいつが俺の後ろをつけていたのに全く気付かなかった…。」
男として,武士として恥だとまで言ってうなだれた。
『何だ…そう言う事?』
三津を小姓に指名したのは気配を感じるため。
出掛けたのもきっと三津を知るため。ならば納得がいく。
そうと分かれば暗い顔なんてしてられない。
総司は得意げな笑みを浮かべて胸を張った。
そして自分の気持ちを正直に認めた。
三津と一番親しい仲なのは自分だけ。他の人は許せない。今になって土方が言っていた“不犯なんて誓いはくだらない”の意味が分かった気がする。
『でも誓いを曲げる気はありません。私は土方さんと違ってそこまで欲深くありませんから。』
だからこれ以上は望まない。
仲の良い友で構わない。
男女の間柄の方が面倒臭くて嫌だと思う。
そんな事で三津を嫌いになってしまうなら,友達のまま笑い合ってる方がよっぽどいい。
友として親しいからこそ,悪戯っぽい笑顔も見れるし,冗談も言い合える。
子供と一緒になって走り回れる。
からかった時の拗ねた顔や,嬉しい時に見せるほのぼのした笑顔は何度見ても飽きない。
自分はこんなにも三津が醸し出す空気に飲み込まれていると言うのに,
「何で分からないんでしょう?三津さんの存在を否定してるんですか?」
「存在を否定した覚えはない。むしろ存在感はあり過ぎるだろう。」
それなのに見えてないから困ってるんだと口をへの字に曲げた。
「沖田,あいつは生きてるよな?」
「当然です。」
三津を勝手に殺さないでくれ。
あんなに活き活きと笑って働く幽霊がどこにいる。
「……殺気。三津さんを怒らせてみるのはどうでしょう?
斎藤さんなら僅かな殺気にも敏感でしょ?だったら三津さんを殺気立たせれば。」
「なるほど名案だ。では早速怒らせてくれ。」
斎藤の頼みに総司の顔が歪んだ。
自分が三津を怒らせる?そんなのまっぴら御免だ。
何でわざわざ嫌われるような役を買って出なければならないんだ。
「嫌ですよ。嫌われたくないですもん。その役はもっと適任者がいるじゃないですか。」
総司はにやりと笑い早速頼みに行こうと斎藤を引っ張り適任者の元へ。
「あ?三津を怒らせろだ?」
適任者に抜擢された土方は不可解な依頼に眉を顰めた。
だがそんな事は朝飯前だと廊下に仁王立ちをした。
「三津ーっ!!」
その一言だけで待機の姿勢をとると,どこからともなく廊下を駆けて来る足音がする。
「はい!何でしょう?」
仕事をほっぽりだして来たのが分かる。
たすき掛けをして,手には拭いきれなかった水滴をつけたままで土方のもとに駆けつけた。
土方は三津の両肩を持って回れ右をさせ背中を向けさせた。
そしてにやりと口角をあげて,
「遅いんだよ!」
三津のお尻に全力の平手打ちをお見舞いした。
Posted by Curryson
at 19:22
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