2024年05月03日頭上からの声にゆっくり顔を上げた。
頭上からの声にゆっくり顔を上げた。
「よぉ久しいな。」
「元周様……。またそんな格好してお仕事から逃げて来たんです?」
「失礼やな。お前はまた参謀と散歩か?」
元周は三津の左側に並んで同じようにしゃがんだ。
「いえ,今日は山縣さんと。」
三津の弱々しい笑みに元周は何か考える素振りを見せた。https://william-l.cocolog-nifty.com/blog/2024/05/post-ad862c.html https://besidethepoint.mystrikingly.com/blog/f4afa7e6c1e http://jennifer92.livedoor.blog/archives/35668501.html
「あの噂は本当か?あいつが其方を捨てて他の女に乗り換えたと。」
「私を捨てたって……私は木戸の妻ですよ?」
三津は何を言ってるのと笑ったが元周は真顔で三津を見ていた。
「木戸から聞いておる。お前は参謀と恋仲なのだろう?木戸が無理矢理あいつから奪って婚姻を結んだと。」
三津は真面目な顔の元周をぽかんと見上げた。それからじわじわと笑いが込上げてきた。
「小五郎さんそんな事言ったんです?それは嘘ですよ。」
三津はそれから桂と出逢った経緯から今までの事,入江との事も包み隠さず全て話した。今度はそれを聞き終えた元周がぽかんとした。
「あいつ,説明が面倒臭くて我を騙したな……。まぁ良い。松子,話してくれてありがとう。それで,何故あの参謀は和菓子屋の女将などに現を抜かしとるんだ。」
「何で知ってるんです?」
「市中視察しておるからな。」
得意げに笑みを浮かべる元周に,全部筒抜けとは怖い藩主様だなぁと笑った。隠したってどうせ権力で喋らされる。三津は女将との最近の出来事を洗いざらい話した。
「なるほどな……。それで何でお前は参謀を突き放した?」
「えっ?話聞いてました?だから夫がいるのに都合良く好きな人を近くに置くのは普通やなくて……。」
「その関係は其方ら三人の問題だ。だが松子は自分の意思に反し,関係のない女将の意見を通した。それはおかしい。」
「でも女将の言う事が正しいと思ったから,私の意見でもあると思うんです。それに女将の身の上を聞いたら本当に自分が駄目やって思って……。」
それを聞いた元周は深い溜息をついて額に手を当てた。
「松子,お前が優し過ぎるのは知っておる。しかしだな?何故女将の問題をお前が抱える?
確かに女将には同情すべき点はある。だがそれは女将の問題であってお前の問題ではない。
女将は妬み嫉みで松子に責任転嫁,自分の非をなすり付けとるだけだ。
それをお前は馬鹿正直に自分の事かのように抱えとる。」
三津は呆然としてしまった。言葉の出ない三津に元周はまた深い溜息をついた。
「嫁の傷心時に旦那は何をしとるんだ。」
「元周様に命ぜられて仕事に行ったっきり帰って来ませんね。」元周はそうだったと豪快に笑った。
「許せ。もう二,三日で戻るであろう。そうだ松子,その間うちに来い。家内の話し相手にでもなってくれんか?お前ももう少し視野を広げた方がいい。それがいい。」
『これは拒否権ないなぁ。』
だって相手は藩主だから。でもそれもいいと思った。元周と話して随分と気が和らいだ。
如何に自分が一つの考えに固執していたかに気付いた。
「嫁ちゃーんっ!……げっ!元周様!」
「随分な反応やのう山縣。」
戻って来た山縣は馬鹿正直な反応をした。そして深く頭を下げて瞬時に謝罪した。
「まぁ良い。木戸が留守の間,松子はうちで預かる。木戸が戻れば迎えに来るように言っておけ。いいか?松子を引き渡すのは木戸のみだ。
「よぉ久しいな。」
「元周様……。またそんな格好してお仕事から逃げて来たんです?」
「失礼やな。お前はまた参謀と散歩か?」
元周は三津の左側に並んで同じようにしゃがんだ。
「いえ,今日は山縣さんと。」
三津の弱々しい笑みに元周は何か考える素振りを見せた。https://william-l.cocolog-nifty.com/blog/2024/05/post-ad862c.html https://besidethepoint.mystrikingly.com/blog/f4afa7e6c1e http://jennifer92.livedoor.blog/archives/35668501.html
「あの噂は本当か?あいつが其方を捨てて他の女に乗り換えたと。」
「私を捨てたって……私は木戸の妻ですよ?」
三津は何を言ってるのと笑ったが元周は真顔で三津を見ていた。
「木戸から聞いておる。お前は参謀と恋仲なのだろう?木戸が無理矢理あいつから奪って婚姻を結んだと。」
三津は真面目な顔の元周をぽかんと見上げた。それからじわじわと笑いが込上げてきた。
「小五郎さんそんな事言ったんです?それは嘘ですよ。」
三津はそれから桂と出逢った経緯から今までの事,入江との事も包み隠さず全て話した。今度はそれを聞き終えた元周がぽかんとした。
「あいつ,説明が面倒臭くて我を騙したな……。まぁ良い。松子,話してくれてありがとう。それで,何故あの参謀は和菓子屋の女将などに現を抜かしとるんだ。」
「何で知ってるんです?」
「市中視察しておるからな。」
得意げに笑みを浮かべる元周に,全部筒抜けとは怖い藩主様だなぁと笑った。隠したってどうせ権力で喋らされる。三津は女将との最近の出来事を洗いざらい話した。
「なるほどな……。それで何でお前は参謀を突き放した?」
「えっ?話聞いてました?だから夫がいるのに都合良く好きな人を近くに置くのは普通やなくて……。」
「その関係は其方ら三人の問題だ。だが松子は自分の意思に反し,関係のない女将の意見を通した。それはおかしい。」
「でも女将の言う事が正しいと思ったから,私の意見でもあると思うんです。それに女将の身の上を聞いたら本当に自分が駄目やって思って……。」
それを聞いた元周は深い溜息をついて額に手を当てた。
「松子,お前が優し過ぎるのは知っておる。しかしだな?何故女将の問題をお前が抱える?
確かに女将には同情すべき点はある。だがそれは女将の問題であってお前の問題ではない。
女将は妬み嫉みで松子に責任転嫁,自分の非をなすり付けとるだけだ。
それをお前は馬鹿正直に自分の事かのように抱えとる。」
三津は呆然としてしまった。言葉の出ない三津に元周はまた深い溜息をついた。
「嫁の傷心時に旦那は何をしとるんだ。」
「元周様に命ぜられて仕事に行ったっきり帰って来ませんね。」元周はそうだったと豪快に笑った。
「許せ。もう二,三日で戻るであろう。そうだ松子,その間うちに来い。家内の話し相手にでもなってくれんか?お前ももう少し視野を広げた方がいい。それがいい。」
『これは拒否権ないなぁ。』
だって相手は藩主だから。でもそれもいいと思った。元周と話して随分と気が和らいだ。
如何に自分が一つの考えに固執していたかに気付いた。
「嫁ちゃーんっ!……げっ!元周様!」
「随分な反応やのう山縣。」
戻って来た山縣は馬鹿正直な反応をした。そして深く頭を下げて瞬時に謝罪した。
「まぁ良い。木戸が留守の間,松子はうちで預かる。木戸が戻れば迎えに来るように言っておけ。いいか?松子を引き渡すのは木戸のみだ。