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Posted by 京つう運営事務局  at 

2024年06月28日

熱い吐息を漏らす信長の口が、

熱い吐息を漏らす信長の口が、柔らかな姫の唇と重なる。

普段の荒々しい信長からは想像も出来ない程、深く優しい口付けだった。

しっとりと濡れてゆく姫の唇から、時折激しい呼吸が漏れる。https://plaza.rakuten.co.jp/aisha1579/diary/202406280001/
https://blog.goo.ne.jp/debsy/e/5dcac5675216bc774506f7b61e95882c https://freelance1.hatenablog.com/entry/2024/06/27/201956
信長の口が濃姫の全身を這(は)うように進むと、呼吸はより早くなり、荒い息の下から姫は何度となく喘いだ。

二人の間には湯気が出そうな程の熱気と、姫の夜着に焚き染められていた白檀の香り、そして互いの汗の匂いとで充満していた。

すっかり桜色に染まった濃姫の身体からは、相手を誘い込むような甘い蜜が溢れている。
蝶が口吻(こうふん)を長く伸ばして花の蜜を吸おうとするように、信長の身体が更に深く重なった時、

濃姫は頭上から足元にかけて、まるで長槍が突き抜けたような激しい感覚に襲われた。

痛みを伴うものだったが、姫は布団の端を血管が浮き出るほど強く掴み、必死でそれに耐えていた。

感覚が麻痺してきたのか、時間が経つにつれて痛みは薄れていったが、次第に濃姫の肉体は、今までに味わったことのない淫靡な感覚に浸食されていった。

火のように熱くなった夫の身体に、姫は根を張るように絡み付いてゆく。

「…殿……殿…」

姫の口から夫を求める甘美な囁きが漏れると、信長は汗で濡れた顔に微笑を浮かべ、今一度 姫と唇を重ねた。

姫の心と身体が、ぬるま湯のような暖かいもので満たされてゆく。

擽ったくて、恥ずかしいはずなのに、不思議なくらい幸せだった。
激しく鳴る信長の鼓動を感じながら、濃姫はそのまま幸福そうに両眼を伏せていった──。






濃姫が再びその眼を開けた時には、穏やかな朝の陽射しによって寝所の四辺が白み始めていた。

ぽってりとした目蓋を薄く開き、姫は眼だけをゆっくりと動かして、部屋の中を見渡した。

高い天井、隙間なく閉じられた襖と障子、畳の上に脱ぎ捨てられた二つの夜着、

そして、強気な笑みを浮かべながらこちらの顔を覗き込んでいる信長の細面──…


「 っ!! 」

濃姫は寝惚(ねぼ)け眼を大きく広げ、思わず身を起こそうとした。

が、途端に針を突き刺したような痛みが下腹部に走り、濃姫は顔を歪めながら再び布団の上に伏した。

「無理を致すな。今暫く休んでおれ」

「……殿…」

「もう間もなく六つ刻じゃ。だが、外に控えている侍女たちには、六つ半までそなたを起こさぬように言うておこう」

気遣いがちに言うと、信長はスッと上半身を起こし、脱ぎ捨てていた自分の夜着を静かに纏い始めた。
しどけなく帯を結び、長髪を茶筅に結うと

「おお、忘れておった。──これをそなたに」

信長は徐に利き手を突き出した。

その手には、昨夜濃姫が、死をも覚悟の思いで信長に渡した、あの短刀が握られている。

「これをそなたに返す。持っておれ」

「 !? 」

「何をしておる。ほれ」

驚く濃姫の手を取り、信長は短刀を握らせた。

「その刀は、そなたの大切な守り刀なのであろう。だったらそなたが持っておれ」

「…さ、されど、この刀はあなた様への…」

「見くびるな。左様な物がなければ、儂がそなたを信用せぬとでも思うておるのか?」

姫は頷くことも首を振ることもせず、ひたと勇ましい表情を浮かべる信長を見つめた。

「そなたは儂に心の真(まこと)を見せてくれた。それだけで十分じゃ」

「殿…」

「確か、そなたにその短刀を渡した時、蝮の親父殿は“信長がまことのうつけならば刺し殺せ”と、そう申したそうだな?」

「左様にございます」

「ならばそう致せ」

濃姫の眉が訝しげに寄る。
  

Posted by Curryson  at 18:27Comments(0)

2024年06月26日

「姫様、そろそろ中へお入り下さいませ

「姫様、そろそろ中へお入り下さいませ。お手習いの最中でございますよ」

縁台のが呼びかけて来る。


しかし帰蝶は、まるで意に介さずといったちで、降りやむことを知らない風花と戯れ続けていた。

一つのことに夢中になると、なかなかそこから抜け出せない性分である。


三保野はれを切らしたように帰蝶の側まで歩み寄ると

「姫様、お風邪を召されまする。早ようお部屋の中へ」 http://jennifer92.livedoor.blog/archives/36127604.html https://note.com/ayumu6567/n/nb12a2e983712?sub_rt=share_pb http://jennifer92.livedoor.blog/archives/36127666.html

ややしい声色で入室をした。

帰蝶ははっと我に返ったように三保野を認めると、幼いが端麗なそのを浮かべた。


「見て三保野。こんなにが照っているというのに、雪が降っておる──。美濃では珍しい事よのう」

「雪ではございませぬ。風花と申すのですよ」

「かざはな?」
「今日のように寒々とした晴天の日に、ちらちらと舞い降る雪のことにございます」

「なれど雪は雪であろう」

「それは…そうでございますが」

「しなものじゃ。このような小さく冷たい塊を、花に例えるとは」

「姫様。それが人のというものにございますよ」

三保野はを取り出すと、濡れた帰蝶の小袖を、軽く押さえるようにしていてやった。

「ほんにしきことにございますな」

「何がじゃ」

「しく、ご才知にも富んだ姫様でございますのに、このようにお転婆では…」

「え甲斐があるであろう?」

「また姫様は。冗談で申しているのではございませぬぞ」

帰蝶は一人くすくすと笑いながら、足早に部屋の中へ入ってゆく。

三保野はすぐにその背を追ったが、彼女の小言は止まらなかった。
「姫様にはご幼少の頃より仕えておりまするが、和歌、茶の湯、花と、姫様は数々のにも優れたるにございます。また乗馬やのお腕も──」

「馬は人並み程度じゃ。それに槍がお得意なのは父上様であって、私ではない」

「これは、失礼を致しました」

三保野はあっとなって 皆は、私に文武両道を求めるのであろうか」

先程までの明るい表情から一転、帰蝶は不快そうに顔をめた。


三保野の言う通り、帰蝶は幼い頃から優秀な姫であった。

学問や数々の素養だけでなく、洞察力にも秀でており

《 まことに惜しい事じゃ。帰蝶が男であったならば、この美濃の名将になったであろうに 》

と道三も口癖のように言う程、よく出来た姫であった。
だが、そんな帰蝶の評判が家中のみならず民にまで広まるようになると

『 あの道三様の姫君とあれば、さぞや勝ち気で、何にもじしないご性格なんだろうよ 』

『 きっとは殿様に似て、武術にもごが深いのであろう 』

などと、勝手な心象が独り歩きし始めた。


確かに帰蝶は少々お転婆なところはあるが、勝ち気、ましてや何にも物怖じしない性格などではない。

見ず知らずの人間の前では普通に緊張もするし、ネズミ一匹死んでいるのを見ただけでも慌ててしまう。

武術よりも、庭の花を眺めたり、物語を読んで空想をらませたりする方がずっと好きだった。


「という弟たち。母は異なれどの兄上もいるというのに、何故こうも私ばかりが父上様と重ねて見られるのであろう」

部屋の上座に腰を下ろしながら、帰蝶はそうに呟く。
「それは姫様がのお方だからでございましょう」

「 ? 」

「兄上様や弟君様とは違い、姫様は常に城の奥におわし、の方々とのご対面も数える程。

これでは誰も、姫様の本当のご気性を知り得る事など出来ませぬ。に民たちも、殿のお人柄から、姫様の人となりをご推知なされようとしているのでしょう」

「…そうなのであろうか ?」

「ええ、きっと。不明確な事に程、人は想像をき立てられるものですから」

三保野に説かれ、帰蝶は完全に納得していないながらも

「そなたがそう言うのならば──そういう事にしておこうか」

と、心持ち
  

Posted by Curryson  at 22:29Comments(0)

2024年06月26日

政略結婚とはいえ、一つ違いで、つ

政略結婚とはいえ、一つ違いで、つ隣国きっての実力者の嫡男への輿入れである。

事情を知らない人間からすれば、またとない良き縁談のようにも思えるだろう。


だが、小見の方のしきった表情がそれを真っ向から否定していた。


「よりにもよって…よりにもよって」

と、まるでのように独りごちた後、小見の方はいを帯びたを道三に向けた。
「織田家の信長殿といえば、“ 尾張の大うつけ ” とられるお方。

那古屋城主とは思えぬような異様な風体の上、粗暴な振る舞いが絶えず家臣たちも皆手を焼いているとか?

そのようなお方に帰蝶を嫁がせて、本当に良いものでございましょうやら」


不安そうに眉をひそめる妻を見て、道三はそのぎったの娘に手をかけるような愚かな真似はすまい」

「いくら “ 美濃の” と恐れられる殿でも、相手は大うつけ。左様な理屈が通じる相手ではございますまい」

「それでもいずれは織田家の当主となる男じゃ。http://jennifer92.livedoor.blog/archives/36126298.html https://note.com/ayumu6567/n/nca0c36a8a810?sub_rt=share_pb http://jennifer92.livedoor.blog/archives/36127602.html

織田と同盟を結べば、長らく続いてきた尾張との小競り合いから解放される上、

駿河・ら、東国の勢いをえることも夢ではなかろう」

「……」
「それにここ何年かで、織田の勢力は急成長を遂げておる。を結んでおいて損はない」

「れながら──まことに、それだけなのでございますか?」

「があると申すのか」

「他意があるかどうかも、小見には分かりねまする」


長山城主・明智光継の娘として生まれ、道三の三度目の妻の座についてから数十年あまりつが、

小見の方には一度として、この夫の考えを読めた試しがなかった。から油商人を経て戦国大名に上り詰めた、まさにの苦労人なだけに、

腹の底に抱えた一物の上には、常に黒い幕をせているようであった。


「致せ。例え他の企みがあったとしても、それで帰蝶が傷付くことはない。絶対にな」

「そのを、信じてよろしいのですね?」

小見の方の問いに、道三は無言をもって答えた。にございますか」

薄く紅が引かれた小見の方のおちょぼ口から、め息が漏れた。

「それで殿は、帰蝶をいつ尾張へやるおつもりですか?」

「早くとも来年の正月、遅くともの頃までには尾張へ嫁がせる」

「来年──」

とすれば、少なくとも後数ヶ月の余裕がある。

良かった。

それならば時間をかけて娘の婚礼道具をえてやれると、小見は内心ほっとしていた。


「それで、帰蝶は今いずこにおる?」

「奥の自室におりましょう。この時間ですと、ちょうど、字の手習いをしている頃かと」

「行って話して参れ」

小見は「はて?」と小首をげる。

「帰蝶のもとへ行って、織田への輿入れの一件を話して参れと申しておる」

「まぁ、がでございますか」
「何も父親が告げねばならぬという法はない。帰蝶に話し、承知したら、の部屋へ連れて参れ」

「もし、承知しなかったら…なされまする?」

「やなど言わせぬ。承知させるのじゃ」

険のある声で、道三は重々しく申し付けた。

夫とはいえ、主君のを前に “ 出来ない ” などという選択肢はない。

小見の方は複雑そうな表情を浮かべながらも、そのれる他なかった。

一方、の帰蝶は、自室の前庭にけられた広い縁台に出て、空から舞い散るれていた。

白く細い両腕を、の向こうにめいいっぱい伸ばして、が肌に触れる感触を楽しんでいる。

時折 大きな風が吹き、縁台の上の彼女を真っ白に包み込んだが、帰蝶はそれすらも楽しいらしく、

お気に入りのが雪片で濡れるのもお構い無しのようだった。
  

Posted by Curryson  at 22:27Comments(0)

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