2024年11月21日ついでに、酒も失敬してきて壷に降りかけた。
ついでに、酒も失敬してきて壷に降りかけた。
封印したので中を見た者はおるまい。
お神酒と勘違いしている者もいるだろう。
燃え上がった火の先に、その壷が見えた。
中は二重にして油紙の中に藁や縄、端布、木っ端などを入れ、中身がこぼれ出た時に燃えやすくした。
転がっていた太刀を投げつけ破壊すると、中身が飛び散り火の勢いが増した。
さらに手前にあった壺も破壊し、痛みを覚悟で二層目の狭間から下流側の道に飛び降りた。
そこへ矢が飛んできた。
すんでのところで身をかわし、近くに転がっていた矛を、五間先で弓を手にしていた兵の太もも目がけて投げつけた。
兵が倒れ、視界が開けると蹄の音を鳴り響かせながら砦に向かってくる馬たちの姿が見えた。
最後尾の馬上には義久と姫の姿があった。
下流側の兵の注意は、そちらに向いていた。https://bloggererica.doorblog.jp/archives/35600233.html https://freelance1.hatenablog.com/entry/2024/11/21/202932?_gl=1*1qzxi2v*_gcl_au*LTPe21veLZJBRJPdfAmRozqD1N1yu8xRDZ. https://bloggererica.doorblog.jp/archives/35600280.html
砦の屋上に目をやると、階下の火に気づいた兵が避難のための縄梯子を板壁に沿って投げ落とした。
それでもすぐに退避しようとはせずに五人の兵が弓を手にした。
痛む足を引きずり、先ほど、背負子とともに落とした革の筒袋と弓を拾いあげ、こぼれ落ちていた自分の矢と敵の矢、四本のうち二本を筒袋に放り込む。
下流側に歩を進めながら連射した。
屋上の兵四人を倒した。だが、ここで矢がなくなった。
火だるまになった兵が二層目から飛び降りてきた。
着地もできずに叩きつけられ、嫌な匂いをまき散らした。
三郎の最後の匂いだった。
三層目からも火の手は上がったものの、仕掛けが遅れたために火の回りが遅い。
このままでは姫と義久は格好の的になるだろう。
かといって、再び火をかけて回っている時はない。
――姫の胸に足に、義久の目に腹に、次々と矢が降り注ぐ――その光景が目に浮かんだ。
気がつくと雄叫びを上げていた。
呼応するように谷底から吹き上がった風が真っ紅な髪を舞い上げた。
風は、炎をも舞い上げた。
炎が縄梯子に燃え移ると状況は一変した。
縄が火を噴き、まるで踊ってでもいるかのように尻を振り、矢のような速さで砦をなめまわした。
*屋上の中ほどにいた兵が、あわてて戦勝祈願の符だを貼った油壺に足を突っ込み、割って転がした。
さらに倒れ際に、もう一つの壺を割った。
こぼれ出た油が滑るように広がり、板壁を伝い、柱を伝い、谷底に流れ落ちて行った。
そこに縄の火と二層目と三層目の狭間から吹き上がる火が燃え移った。
地獄に滝があるのなら、かようであろうと思うほどの流れと勢いに、その場にいた者たちは一人残らず息を飲んだ。
*巨大な砦の中央が、あっという間に炎に包まれた。
尋常な勢いではない。
イダテンが、なにやら細工でもしたのだろう。
あやつが動けば信じ難いことが次々と起こる。
だが、馬は、臆病な動物だ。
これ以上、燃え広がれば脚を止めるだろう。
幸運なことに道の上の砦は、まだ火に包まれていない。
黒駒の腹を蹴り、勢いをつけた。
*
逃げ回る兵どもが油壺を蹴倒し、割って混乱に拍車をかけた。
筒状の通路を伝い、火が横に広がった。
燃え広がる炎が、これまでとは違う形の壺を包みこんだ。
壺の小さな口からのぞいている紐が勢いよく火を噴いた。
その炎が壷の中に吸い込まれると、それは、閃光を放った。
近くで見た者は目を焼いた。
音を失い、炎に包まれた。
封印したので中を見た者はおるまい。
お神酒と勘違いしている者もいるだろう。
燃え上がった火の先に、その壷が見えた。
中は二重にして油紙の中に藁や縄、端布、木っ端などを入れ、中身がこぼれ出た時に燃えやすくした。
転がっていた太刀を投げつけ破壊すると、中身が飛び散り火の勢いが増した。
さらに手前にあった壺も破壊し、痛みを覚悟で二層目の狭間から下流側の道に飛び降りた。
そこへ矢が飛んできた。
すんでのところで身をかわし、近くに転がっていた矛を、五間先で弓を手にしていた兵の太もも目がけて投げつけた。
兵が倒れ、視界が開けると蹄の音を鳴り響かせながら砦に向かってくる馬たちの姿が見えた。
最後尾の馬上には義久と姫の姿があった。
下流側の兵の注意は、そちらに向いていた。https://bloggererica.doorblog.jp/archives/35600233.html https://freelance1.hatenablog.com/entry/2024/11/21/202932?_gl=1*1qzxi2v*_gcl_au*LTPe21veLZJBRJPdfAmRozqD1N1yu8xRDZ. https://bloggererica.doorblog.jp/archives/35600280.html
砦の屋上に目をやると、階下の火に気づいた兵が避難のための縄梯子を板壁に沿って投げ落とした。
それでもすぐに退避しようとはせずに五人の兵が弓を手にした。
痛む足を引きずり、先ほど、背負子とともに落とした革の筒袋と弓を拾いあげ、こぼれ落ちていた自分の矢と敵の矢、四本のうち二本を筒袋に放り込む。
下流側に歩を進めながら連射した。
屋上の兵四人を倒した。だが、ここで矢がなくなった。
火だるまになった兵が二層目から飛び降りてきた。
着地もできずに叩きつけられ、嫌な匂いをまき散らした。
三郎の最後の匂いだった。
三層目からも火の手は上がったものの、仕掛けが遅れたために火の回りが遅い。
このままでは姫と義久は格好の的になるだろう。
かといって、再び火をかけて回っている時はない。
――姫の胸に足に、義久の目に腹に、次々と矢が降り注ぐ――その光景が目に浮かんだ。
気がつくと雄叫びを上げていた。
呼応するように谷底から吹き上がった風が真っ紅な髪を舞い上げた。
風は、炎をも舞い上げた。
炎が縄梯子に燃え移ると状況は一変した。
縄が火を噴き、まるで踊ってでもいるかのように尻を振り、矢のような速さで砦をなめまわした。
*屋上の中ほどにいた兵が、あわてて戦勝祈願の符だを貼った油壺に足を突っ込み、割って転がした。
さらに倒れ際に、もう一つの壺を割った。
こぼれ出た油が滑るように広がり、板壁を伝い、柱を伝い、谷底に流れ落ちて行った。
そこに縄の火と二層目と三層目の狭間から吹き上がる火が燃え移った。
地獄に滝があるのなら、かようであろうと思うほどの流れと勢いに、その場にいた者たちは一人残らず息を飲んだ。
*巨大な砦の中央が、あっという間に炎に包まれた。
尋常な勢いではない。
イダテンが、なにやら細工でもしたのだろう。
あやつが動けば信じ難いことが次々と起こる。
だが、馬は、臆病な動物だ。
これ以上、燃え広がれば脚を止めるだろう。
幸運なことに道の上の砦は、まだ火に包まれていない。
黒駒の腹を蹴り、勢いをつけた。
*
逃げ回る兵どもが油壺を蹴倒し、割って混乱に拍車をかけた。
筒状の通路を伝い、火が横に広がった。
燃え広がる炎が、これまでとは違う形の壺を包みこんだ。
壺の小さな口からのぞいている紐が勢いよく火を噴いた。
その炎が壷の中に吸い込まれると、それは、閃光を放った。
近くで見た者は目を焼いた。
音を失い、炎に包まれた。
Posted by Curryson
at 20:38
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